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人生今後とも楽しく生きるための糧


by sinsama2
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2005.1.23   ブッダの人と思想 1

 この本、2年ほど前に購入しまして、2回ほど読みました。NHKブックスの中村元元東京大学名誉教授始め著作であります。

 日本の仏教は、ほとんど葬式仏教と化しており、新興仏教系教団についても、組織を守るため、本来の仏教としての活動よりも、営業活動や政治活動に重きを置いているような気持ちがしてなりません!

 そこで、本来のブッダに戻って考え直してみたいと思い、このブログにて、少しづつではありますが、シリーズ化して紹介、検証、自分の思いなど書き連ねてみたいと思っております。

 第1回と致しまして、「道の人」について紹介致します。

 時は、紀元前5世紀頃。インドのガンジス河中流域まで進出してきた「アーリア人」たちは、土着の「ドラヴィダ人」達と混血しつつ、ガンジス河下流域まで、勢力を広めてきておりました。(悪く言えば侵略であります)
 農業を中心としてきた部族集団から、各地に都市国家が成立し、社会的にも経済的にも大きな変動を迎えてきた時代とのことであります。

 この、インド史の中でも、最も激動の時代を迎えたその時に、ゴーダマ・ブッダ(お釈迦さま)
は、インド北部の今のネパール、シャカ族の王族の一人として生まれております。29歳で出家し、6年間の苦行ののちに、「ブッダ」(目覚めた人)になりました。

 ブッダとは、どのような人であり、どのような思想の持ち主であったかにつきまして、この本では、さまざまな側面から検証されております。「道の人」については、「大バリニッバーナ経」という、お経に記載されているとのことであります。

 ブッダが、「クシナーラ」という場所で、最後の臨終を迎えようとしている時です。「スバッタ」という、遊行者が、日頃からいだいていた疑問を解決すべく、ブッダを訪ねて行きました。曰く「この世にはたくさんの弟子を持ち、一家を開いている人は多いが、いったい誰が本当の真理を知っているのか教えて欲しい」と聞いたとのことです。

 ブッダは、弟子の「アーナンダ」(阿難)を介して、次のように答えています。
「スパッタよ。わたくしは29才で、なにかしら善を求めて出家した。スバッタよ。わたくしは出家してから五十余年となった。正理と法の領域のみを歩んできた。これ以外には<道の人>なるものも存在しない」

 これは、虫の息となった、ブッダの説法です。ブッダは、29才に出家し、50年もただ一筋に、ダルマ(サンスクリット語dharma・法と訳されています)の道を歩み、これ以外に、「道の人」「真実の人」はいないと言っているのであります。

 ブッダの言葉から伝わってくるものは、仏教の開祖としての響きではありません。むしろ、一人の修行者として、一生を貫いてきたのだ、と言っています。
 ブッダは、真理を体得した一修行者と自ら考えていたとのことであります。この「道の人」という言葉の中に、ブッダの一生が集約されているのであります。

 ブッダは、何を説き続けてきたか、その一端が分かるような気が致します。法の道を歩むこと、真実の道を歩むこと、この歩むという実践を説いたということとのことであります。

 小生の実感と致しましては、人生とは良い意味で「実践」し続けることでは、と思うしだいであります。極端な議論としては、死後の世界なんぞ、どうでも良いことでは?と思います。今、現在、どのように生きるかが、一番重要なのかな~とつくづく思われます。
 既存の、仏教界が本来の姿に戻ることを、切に願う至大であります。
by sinsama2 | 2005-01-23 17:32 |